PART.5 ここをチェック! 食用油の規格と表示③

これだけは気をつけたい 天ぷら火災

火災予防を心がけましょう

揚げ物などをするときは、火災にも十分注意してください。天ぷら油による火災は、鍋の中に火が入って起こると思われがちですが、これは誤解。油はある温度以上になると自然発火します。ですから、加熱したまま油のそばを離れるのは絶対に禁物です。急用があっても、台所を離れるときは必ず火を止める習慣をつけましょう。

発火温度について

油は加熱し続けると発火します

都市ガス(13A)で大豆油(800cc)を加熱した場合

  1. 火をつけてから7分後

    油は180°Cに。
    天ぷらがカラッと揚がる調理温度です。

  2. 火をつけてから12分後

    油温度は250°Cに。
    発煙がひどくなり、いやな臭いがしてきます。この状態が注意信号です(発煙点)。

  3. 火をつけてから14分後

    油温度は316°Cに。
    火をつければ燃え出す温度になります(引火点)。

  4. 火をつけてから21分後

    温度は340~370°Cになります。(燃焼点)
    その後、油は火を近づけなくても370~400°Cで燃え出します。(発火点)

〈 参考:東京消防庁資料より 〉

火災が発生した際は・・・

水で消火しようとすると炎が爆発的に拡大して大変危険です。あわてずに以下の方法で消火をしてください。

天ぷら油による火災は、消火器での消火がもっとも確実です。ご家庭の台所に備えておくと万が一の際も安心です。

消火器を使用する際に、鍋に近すぎると油が飛び散って怪我をするおそれがあります。離れた位置から油面を覆うようにすると安全です。また、一度火が消えた後も油の温度が高いままだと再度発火する場合があります。速やかにコンロの火を止める事が重要です。

ポイント 火を止める

炎があまり大きくない場合は、コンロの火を止めて鍋全体を覆う蓋をして空気を遮断する事により消火できる場合もあります。蓋の代わりに濡れたシーツやバスタオル等を使う事も有効です。消火の際は、火傷や鍋をひっくり返してケガをしないように注意する事が重要です。

してはいけない
消火方法

水をかける、野菜・冷凍食品を入れる
水蒸気爆発を起こし大変危険です。
鍋を持ち出す
運搬中に鍋をひっくり返して火傷をしやすく危険です。
マヨネーズをかける
一瞬、火が消えることもありますが、投入時に火が激しくなり危険です。