PART.2 健康・美容にイイ、植物の油③

植物油でビタミンをたっぷりとりましょう

ビタミンE

老化を抑えるビタミンEがたっぷり

植物油は、ビタミンEの重要な供給源。私たち日本人は、ビタミンEの約2割(※)をサラダ油、マヨネーズなど見える油の植物油からとっています。このビタミンEは、血液の流れをよくしたり、活性酸素の働きを抑え、<過酸化脂質>の生成を抑える働きがあります。<過酸化脂質>は、脳や心臓、肝臓、皮膚などの細胞に付着して老化現象をひきおこす物質ですが、ビタミンEは、この物質が体内でつくられるのを抑え、老化の防止に一役買っています。
(※補助食品からの摂取を除く、一般食品ベース)

植物油のビタミンE含有量

植物油のビタミンE含有量

ビタミンA

油と一緒にとれば、吸収率だんぜんUP!

ニンジン、ピーマンなどの緑黄色野菜の中に豊富に含まれているβ-カロテン(ビタミンA)は、脂溶性ビタミンといわれ、脂質があると、より吸収されます。ビタミンAを豊富に含むニンジン等は炒め調理などで食べると吸収率が高まります。緑黄色野菜の栄養をムダなくとりたいときは、油料理が一番というわけです。

ニンジンを食べた場合の血中β-カロテン

ニンジンを食べた場合の血中β-カロテン量

ビタミンD

骨や歯の健康に効果あり!油調理で吸収率アップ!

ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、健康な骨や歯の形成を助けます。ビタミンAと同じく脂溶性ビタミンのため、油を使って調理する事で吸収率が高まります。食品では魚類、きのこ類、卵等に多く含まれています。

ビタミンC

短時間で加熱できるから、調理中に失われにくい!

植物油は、ピーマン、ホウレン草など、ビタミンCを多く含む野菜の調理にはもってこいです。短時間で加熱調理できるので、ビタミンCの損失が少なくてすみます。

ビタミンB

油で消費を節約できます

糖質の消化には、大量のビタミンBが必要です。不足すると脚気や食欲不振、疲労しやすいなどの症状が現れます。植物油には、このビタミンBの消費を節約する働きがありますから、油料理は、ビタミンBの確保にも効果的な調理法です。

ほかにもたくさん!油に含まれる、健康にイイモノ

中鎖脂肪酸

MCTの主成分中鎖脂肪酸は、ココナッツやパームフルーツなどヤシ科植物に含まれる成分です。
中鎖脂肪酸は、手術後の患者や未熟児の栄養食、スポーツ時のエネルギー補給、介護食に長年利用されています。

MCT(Medium Chain Triglyceride) = 中鎖脂肪酸油

効果

中鎖脂肪酸は、体内で素早く分解されることで、消化・吸収されやすく長鎖脂肪酸に比べ約4倍早くエネルギーになります。そのため体脂肪として蓄積されにくいのが特長です。
また、分解される過程で、ケトン体を効率よく作りだします。ケトン体は、ブドウ糖を利用しにくくなった体でもエネルギーになります。シニア世代の強い味方として医療現場での利用がさらに進むことが期待されています。

メカニズム
中鎖脂肪酸油の分解メカニズム

植物
ステロール

植物ステロールは脂質の一種で、植物胚芽に多く含まれている天然の成分です。特に豆類や穀類に多く含まれています。構造は動物性のコレステロールとよく似ていますが、体内ではしっかり区別されます。植物ステロールは、通常の食事で摂取しても吸収されず、体外に排除されます。

効果

LDL(悪玉)コレステロールを下げ、健康に役立つことが数多くの文献で紹介されています。

メカニズム
コレステロールと植物ステロールの吸収メカニズム

ごまリグナン

ごまリグナンとは、ごまに含まれる特有の微量成分で、代表的なものには「セサミン」「セサモリン」「セサミノール」「セサモール」などがあります。ごま油の中には0.5~1%程度含まれています。

効果

からだの中での抗酸化作用/コレステロール増加抑制/脂肪酸の代謝(β酸化)促進等が報告されています。

※セサミンの効果のほとんどはα-トコフェロール(ビタミンE)との併用で相乗効果が期待できると言われています。

オリーブ
ポリフェノール

オリーブポリフェノールは、オリーブの果実や葉に含まれるポリフェノールです。オリーブオイルの苦味や辛味の成分で、一般的に若い緑の果実に多く含まれています。

効果

生体内での抗酸化作用があり、LDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑える効果が知られています。