揚げ物料理をおいしくつくるコツは?
おいしさをギュッと閉じ込めてカラッと揚げる、油料理の基本ともいえる調理方法。
素材本来の旨みを逃がさず、香ばしさと口当たりの良さを楽しむことができます。やっぱり揚げたてをおウチで味わうのが一番!
揚げ油の量
油の量は鍋の深さにもよりますが、最低でも鍋底から3~3.5cmは入れるようにしましょう。また、材料を入れすぎると油の温度が急に下がってしまいますから、油の表面の1/3~1/2程度を目安に少しずつ揚げましょう。
揚げ油の温度
衣がベタベタだったり、中身が生だったり・・・・・・。
その原因は油の温度。調理の仕方に合った温度をしっかり確認しながら揚げれば、失敗なくおいしく揚がります。
さい箸でわかる揚げ油の温度
さい箸は、油に入れる前に、軽く水でぬらしてから布きんで拭きとります。油の中にさい箸を入れ、泡の出方を見ます。
衣でわかる揚げ油の温度
温度計を使わなくても、衣を一滴落としてみると分かります。
揚げる油の使用回数
揚げ油の種類や食材、温度、時間などによって異なりますが、油の使用回数は、3~4回が目安です。
油を使う順番
油を汚しにくい料理から始め、“さし油”をしながら使いましょう。
吸油量
揚げ物の際に食材の水分が油分と置き換わるため、水分の多い食材の方が油を吸い込みます。また、同じ食材の場合、平たいもの、細かく刻んだものなど油と接する面積が大きいほうが油をよく吸い込みます。
食材や衣の量で異なりますが、概ね天ぷら>フライ>素揚げ>から揚げの順に油を吸い込みます。
食材の吸油率 : キスの天ぷら18%>トンカツ約14%>かぼちゃの素揚げ7%>鶏肉のから揚げ1%など
〈出典:女子栄養大学出版部 五訂増補 調理のためのベーシックデータ〉
水気をきる
「揚げ物はおいしいけど油はねはちょっと苦手」という方も安心。布きんやペーパータオルで食材の水気を十分に取って揚げることで、油はねを防止できます。
鍋や
フライパン
鍋やフライパンの水をよくふきとります。調理中は、加熱した油に水が入らないように気をつけます。
野菜・魚介
魚介や、水にさらした野菜などは、しっかり水気をとります。
エビ | エビの尾の先を切りそろえ、水をしごきだします。 |
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イカ | 皮や薄皮がついていると、油がはねやすくなります。紙タオルなどで持つと、むきやすくなります。 |
切れ目をいれる
ししとう・オクラは、そのまま揚げるとはじけて、油がはねやすくなります。縦に1本切り目を入れるか、竹串で数か所穴をあけます。
ナス
ナスは、水にさらしてアク抜きをして変色を防ぎますが、余分な水を含んでしまい油はねの原因となります。揚げる場合は水にさらさず、切ったら、なるべく早く揚げましょう。
揚げカスとり
揚げ物をした後、鍋の底に残った揚げカスをそのままにしておくと、油のいたみの原因になります。揚げカスは、揚げている間もこまめにすくい取りましょう。あくとり用など網目の細かい網じゃくしを使うと、から揚粉のような小さな揚げカスもすくい取れ、油をこす作業がラクになります。
天ぷらのコツ
揚げ上がりの目安
色・音・泡・浮き上がりを見て、ベストタイミングで引き上げましょう。
揚げ温度の目安
- 野菜の天ぷら
- 160 ~ 180°C
- 魚の天ぷら
- 175 ~ 190°C
- かき揚げ
- 180 ~ 190°C
- 魚のフリッター
- 160 ~ 170°C
- コロッケ
- 170 ~ 180°C
- ドーナツ
- 160 ~ 170°C
冷凍食品の
上手な揚げ方
油の温度を一定に保ち、冷凍食品を入れてから1分間は箸などでさわらないようにするのがパンクさせないコツ。
また一度溶けて再冷凍したものは、食品の周囲に氷の結晶が付着してしまい、パンクや油はねしやすくなります。