PART.3 教えて! 油の上手な使い方、料理力UP①

油の使い分け

「お店には色々な油があるけど、使い分けはどうしよう?」「ごま油は中華?オリーブオイルはイタリアン?」
お料理ごとの使い分けをご紹介しますので、ぜひ実践してください。

加熱調理と生食

油を替えるだけで、お料理のおいしさのバリエーションが広がります。お気に入りの油を是非見つけましょう!
サラダ油は、加熱調理と生食の両方にお使いになれます。

加熱調理 生食
サラダ油(なたね油、米油など)
健康オイル
エキストラバージンオリーブオイル
オリーブオイル
ごま油
グレープシードオイル
ココナッツオイル、マカダミアナッツオイル
アマニ油・えごま油・MCTオイル ×

あっさり軽い料理に仕上げる

なたね油(キャノーラ油)、べに花油はあっさりとした風味の油です。熱に強いので、揚げ物はもちろん、ドレッシングや和え物にもよく合います。すっきり軽い風味のグレープシードオイルは、ドレッシングなど生で使うと、食材の味をいかします。

味わい豊かな料理に仕上げる

大豆油、米油、綿実油、コーン油がおすすめです。それぞれにコクや豊かな風味があり、天ぷらやフライなどの揚げ物、マヨネーズ、ケーキやドーナツなどのお菓子作りにもよく合います。

ブレンドしてみる

揚げ物調理などに、種類の違う油をブレンドして使っても、もちろんOKです。
※ココナッツオイルは、他の油と混ぜて揚げ物をすると油がふきこぼれ引火する危険があります。

使い方いろいろ! ごま油

ごまの豊かな香りと芳醇な旨みは、ひと工夫でいつもの料理をよりおいしく仕上げます。

中華風の炒め物の仕上げに! 最後の仕上げに鍋肌よりごま油を入れると、一層香りが立ち、見た目にもツヤがでます。
餃子やシュウマイの練り込みに! 肉や野菜をよく混ぜたところにごま油を練り込むと、餃子やシュウマイに風味豊かな香ばしさが広がります。
風味付けに! ごぼう・レンコン・にんじんなど、ごま油と根菜の相性は抜群です。煮物、きんぴらなどを炒める時や、最後の風味付けにも!
ドレッシングに! ごま油・酢・醤油をあわせるだけで、中華風や韓国風のドレッシングがあっという間にでき上がり。
揚げ料理に! サラダ油にごま油を加えて揚げれば、コクのある天ぷら屋さんの味に早変わり。
量は少量からお好みで。

ごま油ができるまで

風味豊かな焙煎ごま油は、こんな風に作られています。

  1. 選別
    ごま粒以外の雑物を除去し、一定の粒の大きさと重さのものだけを選別します。
  2. 焙煎
    ごまを煎り、ごま油独特の色と香りを生みだします。
  3. 圧搾
    圧力をかけて擦りつぶし、油を搾ります。
  4. ろ過
    油中に含まれるごまの皮や、沈殿した不純物を取り除きます。
  5. 熟成
    オリを沈殿させるため静置し、熟成させます。
  6. 仕上げろ過
    オリや雑物を徹底して取り除く為、再度ろ過します。
  7. 充填
    品質検査に合格したものを充填します。
  8. 製品
    風味のよい良質なごま油ができあがります。
(イラストはイメージ図です)

ごまの発祥

6000年の歴史をもつといわれているごまの発祥地は、野生ごまの種類が多く、変異性に富むことから熱帯アフリカのサバンナ植生の中で生まれたといわれています。ごまは、高温で乾燥した地域でも十分に成長し、約35日で花が咲きはじめ実をつけます。黒ごまの花はピンク色・白ごまの花は白色です。

オリーブオイルの種類

エキストラバージン オリーブオイル

オリーブの実を搾ったバージンオイル(一番搾り)は、官能検査や理化学分析によって、グレード分けされます。その中で、最上級のものをいい、オリーブオイル特有の香りがあり、サラダや料理の仕上げに使うと香りが生きます。※酸度0.80%以下

オリーブオイル(ピュア)

精製したオリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドし、風味はマイルドです。
焼く、炒める、揚げ物等に向いています。

オリーブオイルの最大の特徴は風味ですので、用途にしばられずお好みに合わせてご使用ください。

オリーブオイルができるまで

オリーブオイルは、オリーブの実の果肉から油を搾ります。オリーブの実は水分が多く傷つきやすいので長時間保存することができません。良質のオリーブオイルを作るためには、実を収穫したその日のうちに油を搾るのが望ましいとされています。

エキストラバージンオリーブオイルができるまでの工程 オリーブオイル(ピュア)ができるまでの工程

オリーブオイルの産地と風味

オリーブオイルの産地としてはイタリア、スペイン、ギリシャ、チュニジア、トルコ、シリアなどの国があげられます。それぞれの国によって気候や土壌、栽培されているオリーブの品種により風味・特長が違ってきます。

オリーブオイルの産地の地図

エキストラバージンオリーブオイルの香りと味

オリーブオイルの香りには、「青々しい果実の香り(グリーン)」と「熟した甘い果実の香り(ライプ)」があります。その2つの香りのバランスと「香り」「辛み」「苦み」などの強さがそれぞれの個性となり風味として楽しめます。

グリーンとライプの特徴、成熟度、収穫時期の表

オリーブオイルと
健康

オリーブオイルの脂肪酸の約70~80%はオレイン酸です。オレイン酸は地中海沿岸地方の人々が、冠状動脈性心疾患が少ないことから健康成分として注目されています。また、赤ワインに含まれることで注目されたポリフェノールやビタミンEといった抗酸化物質も含まれています。