取締役会の実効性についての分析・評価

当社では取締役会の実効性を担保し、向上させるため、毎年、各取締役・監査役による取締役会の実効性評価を実施しております。アンケートによる自己評価や意見聴取などを実施し、取締役会で審議したうえでその結果を開示しております。
このたび、2021年度の取締役会の実効性評価を実施し、その結果を取締役会において報告・審議いたしました。概要は以下のとおりです。

1. 実効性向上に向けた2021年度取締役会の取り組み

前年度(2020年度)の評価結果を踏まえて、次の取り組みを行うことにより、実効性のさらなる改善を図りました。

(1)「中長期の経営戦略に関する議論の深化」

経営における重要なテーマについて、取締役会で集中的に審議を行う審議事項を設定し、活発な意見交換を行いました。また、部門責任者による中期経営計画の戦略、課題等の説明を取締役会とは別途の場を設定のうえ実施し、認識を深めました。

〔審議事項のテーマ例〕
  • 環境目標2030およびCO2削減に向けた設備投資の在り方
  • Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.の設備投資
  • 資本効率の向上に向けて
  • 資本市場からの要請を踏まえた企業価値向上への取り組み
  • 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)枠組みに基づく開示について
  • 2022年度経営計画

(2)「取締役会におけるリスクマネジメントをはじめとしたモニタリング機能のさらなる強化」

取締役会のモニタリング機能の強化につながる以下の改善を行いました。

  • サステナビリティ委員会やリスクマネジメント委員会など各種委員会報告による議論の時間創出・活性化を目的として4月に取締役会を新設
  • モニタリング機能の強化を目的としたリスクマネジメント委員会への常勤監査役のオブザーバー参加
  • 四半期ごとに、株主・投資家との対話の状況を報告
  • 投融資規程の改訂によるCO2排出削減を目的としたインターナルカーボンプライシングの導入、資本コストを踏まえた投資採算評価の導入、中長期の投資計画検証、モニタリング機能の強化などの運用改善
  • 内部監査室の業務監査結果を直接、取締役会に報告

2. 2021年度取締役会実効性評価の実施内容

当社では、2021年度の取締役会の実効性評価を、客観性を担保するために外部機関のサポートを受け、取締役会を構成する取締役・監査役(全13名)を対象に、以下の内容について、アンケート形式での調査を実施しました。

  1. ① 取締役会の構成
  2. ② 取締役会の運営
  3. ③ 取締役会の議論
  4. ④ 取締役会のモニタリング機能
  5. ⑤ 社内取締役のパフォーマンス
  6. ⑥ 社外取締役のパフォーマンス
  7. ⑦ 取締役・監査役に対する支援体制
  8. ⑧ トレーニング
  9. ⑨ 株主(投資家)との対話
  10. ⑩ 自身の取組み
  11. ⑪ 総括

調査結果を踏まえ、代表取締役社長と社外役員全員との議論を行ったうえで、取締役会にて議論を行い、最終的な評価を行いました。

3. 評価結果

当社の取締役会の実効性については、おおむね確保されていると判断しました。
なお、調査結果に関する個別のトピックスは以下のとおりです。

(1)評価の高い項目

  • ESGやSDGsへの取り組み等、サステナビリティの基本的な方針およびその向上のための取り組みや開示
  • 財務・非財務面を問わず会社が持続的な成長を実現できるようなKPIの適切な設定

(2)改善余地のある項目

  • 役員に求められるトレーニング(役割・責務に対する必要な知識の習得等)の機会の提供
  • 経営の監督者として全社的な視点から自由闊達な議論の醸成

(3)審議すべき課題

  • PBR1倍割れ解消に向けた多角的視点からの検討
  • 全社的リスクマネジメントの深化
  • 当社が目指す姿を実現するための、機関設計を含めた最適なガバナンス体制の検討

4. さらなる実効性向上に向けた取り組み

さらなる実効性の向上に向け、評価結果より得られた改善項目および審議すべき課題へ取り組むとともに、2022年度は、特にウクライナ危機によるサプライチェーンの寸断、またそれに伴う原材料調達面やコスト面への影響など経営環境の激変が想定されるなか、あらゆる視点から取締役会のモニタリング機能を発揮してまいります。
また、2022年度は、新たな取り組みとして取締役会メンバーによるオフサイトミーティングを実施し経営課題の集中審議を行うとともに、社内・社外役員間の意思疎通の深化を図るなど継続的に取締役会の実効性向上に向けた改善を図ってまいります。