取締役会の実効性についての分析・評価

当社では取締役会の実効性を担保し、向上させるため、毎年、各取締役・監査役による取締役会の実効性評価を実施しております。アンケートによる自己評価や意見聴取などを実施し、取締役会で審議したうえでその結果を開示しております。
このたび、2023年度の取締役会の実効性評価を実施し、その結果を取締役会において報告・審議いたしました。概要は以下のとおりです。

1. 実効性向上に向けた2023年度取締役会の取り組み

前年度(2022年度)の評価結果を踏まえて、次の取り組みを行うことにより、実効性のさらなる改善を図りました。

(1)「重要な経営課題に関する議論の深化」

経営における重要なテーマについて、取締役会で重点的に審議するとともに、オフサイトミーティングを行い、取締役会メンバー全員が出席の上、終日、活発な意見交換を行いました。

〔2023年度のオフサイトミーティングのテーマ〕
  • マーケティングと技術に立脚した価値創造について
  • 代替脂質への取り組みと関連技術の発展性について
  • 2030年に向けた国内事業領域における価値創造の戦略・取り組みについて
  • 食品事業本部の新たなマーケティング創生について
  • 加工用事業部マーケティング戦略について
  • 北米事業構想について
〔取締役会の主な審議事項〕
  • ROIC目標達成に向けて(2回)
  • 2030年に目指す姿に向けた成長性と収益性についての具体的な検討
  • 2024年度経営計画
  • 当社における「企業価値向上の取り組み」に関する方針・目標と開示内容について
  • 株主還元方針について
  • 北米事業構想の進捗状況について

(2)「取締役会におけるリスクマネジメントをはじめとしたモニタリング機能のさらなる強化」

取締役会のモニタリング機能の強化につながる以下の改善を行いました。

  • 当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展を実現するための基本方針の立案等、重要課題を審議することを目的とし、2023年7月に「経営サステナビリティ委員会」を新設
    (主な審議テーマ)
    • CSV目標の見直しや2030年度目標の新規設定(複数回審議)
    • 北米事業構想の実現に向けた具体的取り組み
    • リスクと機会の重点領域化について
      (新たなリスクと機会の抽出や社会課題の再確認、重点領域の検証等)
    • ROIC目標達成に向けて(ポートフォリオマネジメントの考え方)
    • TCFD提言への対応
    • 生物多様性方針・水方針の策定について
    • 持続可能な大豆調達およびカカオ調達・アクションプランについて
  • オフサイトミーティングで形成された課題を受けた具体的なテーマの検討
    (企業価値向上に向けた成長シナリオ、国内拠点の設備投資計画など)

2. 2023年度取締役会実効性評価の実施内容

当社では、2023度の取締役会の実効性評価を、客観性を担保するために外部機関のサポートを受け、取締役会を構成する取締役・監査役(全13名)を対象に、以下の内容について、アンケート形式での調査を実施しました。

  1. ① 取締役会の構成
  2. ② 取締役会の運営
  3. ③ 取締役会の議論
  4. ④ 取締役会のモニタリング機能
  5. ⑤ 社内取締役のパフォーマンス
  6. ⑥ 社外取締役のパフォーマンス
  7. ⑦ 取締役・監査役に対する支援体制
  8. ⑧ トレーニング
  9. ⑨ 株主(投資家)との対話
  10. ⑩ 自身の取り組み
  11. ⑪ 総括

調査結果を踏まえ、代表取締役社長と社外役員全員との議論を行ったうえで、取締役会にて議論を行い、最終的な評価を行いました。

3. 評価結果

今回の評価結果を通じ、当社の取締役会の実効性については、おおむね確保されていると判断しました。なお、2021年度以降、3回に渡る評価のスコアは毎年上昇しており、取締役会の実効性向上に向けた改善策がスコアの上昇につながっているものと判断しております。
今年度も引き続き、調査結果で評価が高かった項目と、改善余地のある項目から抽出した重点的に審議・対応すべき課題を以下の通り整理し、対策を講じていきます。

(1)評価の高い項目

  • 会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出と経営戦略や経営計画の整合性を認識したうえで十分に議論を行っている点
  • 経営陣の報酬制度を設計し、具体的な報酬額を報酬諮問委員会から情報を得て適切に決定している点
  • 社外取締役は、株主からの付託を受けて、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から経営を監督する役割を自覚し、その役割を十分に果たせている点

(2)改善余地のある項目から抽出した2024年度に重点的に審議・対応すべき課題

  • 経営戦略・経営計画のグループ全体の潜在的なリスクとその対処方法についての十分な議論の実施
  • PBR向上に向けた方策の継続検討とモニタリング
  • グループ全体の事業ポートフォリオの方針決定と定期的な見直しの実施
  • グループガバナンス、グループ会社に対する内部統制の強化
  • 人的資本に関するマネジメント

4. さらなる実効性向上に向けた取り組み

取締役会のさらなる実効性向上に向け、調査結果から抽出した重点的に審議・対応すべき課題に加え、当社事業に影響を与える機会やリスク等についても一層議論を深め、必要な対応を図っていきます。また、2024年度においても、取締役会メンバーによるオフサイトミーティングを継続し、経営課題の集中審議を行うとともに、社内・社外役員間の意思疎通の深化を図っていきます。
企業価値の向上を目指し、取締役会の実効性向上に資するこれらの取り組みを通じ、グローバルトップレベルの油脂ソリューション企業への飛躍を実現してまいります。