発見!ご当地「油」紀行
第50回
熊本県
からし蓮根
門外不出だった郷土料理「からし蓮根」
九州の中心に位置する熊本県。県の西北部にある県庁所在地の熊本市は、市民の生活水道水をすべて地下水で賄っている世界に誇る地下水都市となっており、豊富な水資源と温暖な気候を活かした、なすやスイカ、みかんや蓮根などの全国的な生産地です。この熊本県には、郷土料理「からし蓮根」があるとのこと。どのようなものなのか、現地で取材をしてきました。
鼻に抜ける辛味がクセになる!
からし蓮根とは、茹でた蓮根にからし味噌を詰めて、衣をつけて揚げたものでした。1632年、体が病弱であった肥後細川家初代藩主忠利公のために、熊本城の周りにたくさん植えられていた蓮を使って考案されたのが「からし蓮根」のはじまりという説もあります。
「輪切りにした蓮根の外観が細川家の家紋に似ていたことから、作り方は門外不出に。庶民が食べられるようになったのは江戸時代になってから」と、お店の方が教えてくれました。
実際に作るところをお店の方に見せていただきました。
揚げたてをいただきました。ホクホクした食感に、ツーンと鼻に抜ける辛味がクセになります。冷やすと辛味がまろやかになり、シャキシャキとした歯触りも楽しめます。「揚げたてが最高においしい。マヨネーズをつけてサラダ感覚で食べられます」と、地元の方。揚げたてのからし蓮根のおいしさはもちろん、アレンジにより食べ方の楽しみが広がる郷土料理であることも教えていただきました。
(24.9.30)
- 協力
- 村上カラシレンコン店
096-353-6795