当上半期の連結業績は、売上高2,548億39百万円(前年同期比△7.5%)、営業利益115億45百万円(同 + 22.4%)、経常利益111億32百万円(同 + 12.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益79億76百万円(同 + 2.5%)となり、売上高は減収となりましたが、利益面では前期を上回りました。
当社グループを取り巻く事業環境は、大豆や菜種などの原材料相場が構造的な油脂需要の増加に伴い高止まりの状況が続くとともに、オリーブオイルやごま油などの原価上昇、為替の円安や物流費・ユーティリティコストの上昇もあり、コスト面において総じて厳しい状況が続いています。
そうした中、連結売上高については、パーム油市況の下落に伴う海外加工油脂の販売価格の低下などに伴い減収となりましたが、営業利益はコスト環境の見通しが難しい状況の中、機能性・付加価値性のある商品やソリューションの提案の強化による収益性を重視した販売に注力し、前年同期を上回りました。
上期までの業績において、売上高は減収となる一方、利益面では国内の油脂事業において収益性を重視した販売に注力し、期首の通期の業績予想に対し順調に進捗しています。今後のコスト・販売環境の変動リスクはあるものの、現時点での利益進捗と下期の見通しを反映し、2023年度通期の連結業績予想を売上高5,100億円、営業利益180億円、経常利益175億円、親会社株主に帰属する当期純利益125億円に修正いたしました。
当社では、中期経営計画「Value Up +」において2024年度ROE 8%を経営目標に掲げ、積極的な投資による成長と資本収益率の向上に取り組んでおります。また「ビジョン2030」において2030年度の目標をROE10%、ROIC7%に設定しております。引き続き、各事業領域における価値創造の取り組みや仕掛けを進捗させ、3年目となる中期経営計画「Value Up +」の経営目標達成と、更なる企業価値の向上に向けて、グループ一丸となって取り組んでまいります。株主の皆様におかれましては、引き続き一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
私たちは、“植物のチカラ®”と“油脂をさらに究めた強み”で、
食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。
そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人に
お届けする企業グループになります。
私たちのコアコンピタンスは「油脂」です。油脂を究め続けることで、共創による油脂ソリューションを創出し続けます。
油脂の価値は、人が生きるための根源的なエネルギーであり、また、美味しい食事で人を笑顔に、栄養機能で人を健康に、美を演出し活力を与える無限のエネルギーでもあります。
6つの重点領域を通じて私たちが提供する油脂の多様な価値、そして油脂と相乗効果を発揮する素材・技術・事業から生み出されるエネルギーを”生きるエネルギー”と位置付けました。
私たちが目指すのは、この”生きるエネルギー”を一人でも多くの人にお届けする、そのような企業グループになることです。
当社グループは、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向けた最初の4年間の中期経営計画「Value Up +」で、「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループ」への変革を掲げています。
当社では、環境負荷の少ない容器・包装の開発、環境対応素材の導入等の取り組みを進めてきましたが、お客様の多様な環境ニーズにお応えして、人気の食用油に紙パックタイプを発売しました。「容器包材におけるプラスチック使用量の削減」「環境対応プラスチックの採用」といった環境への配慮に加えて、使いやすさも両立しています。
物流を取り巻く環境は、慢性的なドライバー不足への対応や、CO₂排出量削減をはじめとする環境保全への対応などの課題を抱えています。2024年4月には、「働き方改革関連法」の一環で、自動車運転業務の時間外労働が年間960時間に制限されることから、物流業務の見直しが迫られています。
こうした状況を踏まえ、2023年度中に横浜磯子工場の近隣で大型外部倉庫を新規賃借し、磯子工場構内や周辺に点在している在庫の集約を予定しています。これにより、運転士の出荷作業に係る時間の短縮や、出荷作業スペースの拡大による作業効率化などを実現していきます。