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- 「酸化」を抑制する新技術「ウルトラ酸化バリア製法」
油の酸化が及ぼす影響
私たちは菜種やごまを原料とする食用油が一般的だった100年前に、日本ではじめて精製度の高い大豆油の製造・販売を開始しました。野菜サラダにそのままかけて食べられる「サラダ油」は、野菜の生食文化の普及に寄与しました。また、この100年の間、私たちは数多くの技術を開発し商品として上市することで、食用油を通して新たな価値を提供し続けてきました。
特に「酸化」は食用油の品質を左右するものであり、多くのお客様が気にされている不安や関心のポイントの一つでもあります。油の酸化とは空気中の酸素と油が反応して起こる変化のことを言い、「光、高温、空気、水分」などにより促進されます。酸化した油は、調理時に不快なにおいがしたり、色が濃くなったり、消えにくい細かい泡が出たりします。酸化した油を食べると気分が悪くなったり、むかむかと胸やけを感じる方もいます。当社は、従来より「酸化」を抑える技術を数々と開発してきました。
酸化を抑える新製法の開発
そして2024年、これまでの技術を結集し、さらに進化させた「ウルトラ酸化バリア製法」を開発しました。
酸化と戦う新製法「ウルトラ酸化製法」
Neoナチュメイド製法 低温・高真空の状態で精製することで、製造時の酸化を抑えます。
日清ウルトラファインバブル製法 油中の酸素を微細な窒素バブルで追い出します。
酸化ブロック製法 容器のヘッドスペース内の酸素を追い出し、代わりに窒素を充満させ開封前の酸化を抑えます。
技術その2である「ウルトラファインバブル」とは、超微細な泡のことです。「ウルトラファインバブル」の技術を用いたシャワーヘッドのように、汚れが落ちやすいといったイメージも持たれていますが、植物の成長を促進する生理活性作用もあるなど、さまざまな効果が期待できる画期的な技術です。そして、この技術を食用油に応用し、超微細な窒素の泡を油に吹き込んで、油中の酸素を徹底的に追い出して減らし、「開封後」の酸化も抑制することができるようにした技術が「日清ウルトラファインバブル製法」です。
この技術を開発するまでには壁がいくつもありましたが、そのひとつが「窒素の微細化技術の開発」です。単に窒素の大きな泡を油に入れるだけでは油中の酸素を効率的に追い出すことができず、窒素を可能な限り微細にする必要がありました。粘度が高い油では超微細な泡の確認がとても難しく、試行錯誤を重ねながら、ようやく確認できる条件を見つけ、窒素の超微細化技術の開発・実用化に成功しました。
このようにして、当社が開発した新技術がふんだんに盛り込まれているのが「ウルトラ酸化バリア製法」です。また、「ウルトラ酸化バリア製法」を取り入れた、開封後も鮮度が長持ちする食用油「日清ヘルシークリア」を商品開発しました。
開封後もつくりたてのおいしさを提供
お客様の「酸化」に対する漠然とした不安をクリアにしたウルトラ酸化バリア製法により、開封後もつくりたての油のおいしさが続くという新たな価値を提供し、クッキングオイルの魅力をさらに高めることで、家庭用食用油市場をさらに活性化していきます。本年はサラダ油発売100周年ですが、次の100年につながるような商品開発、技術開発をこれからも進めてまいりたいと考えております。