

私たちは、年をとるにつれて、心身が衰えていきます。
病気や怪我などの場合を除けば、心身は徐々に衰えていくので、毎日の変化には気づかないかもしれません。
健康な状態から、要介護、寝たきりに至る途中で、「フレイル」(虚弱)と呼ばれる状態になることをご存知でしょうか?
フレイルの概念図

「フレイル」は、心身、生活、社会性の機能が複合的に低下している状態です。
食べ物が噛みにくくなったり、歩く速度が遅くなったり、気分がすぐれない時間が多くなったり、疲れやすくなったりします。
後期高齢者層では、この「フレイル」が増加しています。
年齢を重ねるにつれて身体的フレイルのリスクは上昇します。
地域高齢者における身体的フレイルの割合は7.9%(男性7.6%、女性8.1%)。
加齢に伴って該当率は上昇し、75歳以上でその割合上昇が著しくなり、85歳以上では約35%がフレイルに該当します。

フレイル状態を「年のせいだから仕方がない」と諦めて、なんの対策もしないでいると、「フレイルサイクル」という悪循環に陥ってしまいます。
このサイクルに入ってしまうと、要介護、寝たきり状態に進むリスクが高くなり、健康寿命を伸ばすことができなくなります。

あなたの状態をチェックしましょう
フレイル予防をするには、まず自分の状態を自覚すること。
簡単なチェックで、確認してみましょう。




「フレイル」状態から「健康長寿」を目指していくために
フレイル対策に有効なのは、
①栄養不足の解消
②運動などによる身体活動
③人とのつながり
と言われていますが、どれか1つだけではなく、すべてを生活に取り入れていくことが重要です。


①高齢になると、食が細くなったり、孤食などで食事メニュー作りが面倒になって、同じものを食べ続けたりするなど、粗食になりがちです。これにより低栄養を招き、フレイルに陥りやすくなってしまうのです。
②使わないと筋肉がどんどん衰えていき筋力が低下してきてしまいます。無理のない筋トレやウォーキングなど、筋肉を維持することを意識して、運動や身体活動をしましょう。
③自分に合った文化活動や地域活動を見つけ、積極的に人とのつながりを持ちましょう。
栄養面では、エネルギーやたんぱく質をしっかり摂って、よく噛んでいろいろ食べよう!
加齢とともに噛む力や飲みこむ力が低下します。
それによって食が細くなり、特に意識せずに若いころと同様の食生活を続けていると、必要なタンパク質やエネルギーを摂ることができずに、痩せていってしまいます。
そして、活力やからだの機能、活動の低下につながっていきます。
厚生労働省の令和元年「国民健康・栄養調査」では、女性の場合70‐74歳の方の19%、80‐84歳で19.9%、85歳以上ではおよそ4人に1人が低栄養傾向にあることがわかっています。
男性も、65歳以上のおよそ1割、80歳以上では15%以上の人が低栄養傾向にあることがわかりました。
このため、厚生労働省もガイドラインを作成し、高齢者の栄養管理支援に乗り出しています。


また、加齢とともに全身の筋肉量が減っていくことが分かっています。
痩せがフレイルにつながり易く、21.5 kg/m2未満に当てはまる方、痩せてきた方は要注意です。
例えば、身長166cm、体重56㎏の場合、★の位置づけとなり、BMIが21.5kg/m2となるのでフレイルに要注意です。
※BMIが18.5 kg/m2未満になると低栄養の可能性があります。
身長と体重からBMIをチェック

出典:令和元年度食事摂取基準を活用した高齢者のフレイル予防事業「食べて元気にフレイル予防」
栄養からはじめるフレイル予防!
栄養では、エネルギー、たんぱく質、食品多様性、噛むの4つを意識することがポイントとされています。食品多様性の指標の一つとして使われている「10食品群」を意識すると、たんぱく質やエネルギーのもとになる食品群を含め、バランスよくいろいろ食べられるのでおすすめです。
からだが喜ぶおすすめレシピ
磯おろししらす丼
超簡単なのにとてもおいしい!しらす丼や卵かけご飯には、BOSCOが絶対に欠かせないと思える一品です。大根おろしはお好みですが軽い食感になり、のりとも合います。

磯おろししらす丼(1人分) | ||
---|---|---|
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 塩分相当量(g) |
476 | 19.7 | 2.1 |
ごま香るしょうが鍋~みそ風味~
体がぽかぽか温まる、みそ風味のしょうが鍋。仕上げにごま油をかけるだけで、香りとコクがぐっと増して、食欲もアップします。〆は雑炊で。

ごま香るしょうが鍋~みそ風味~(1人分) | ||
---|---|---|
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 塩分相当量(g) |
458 | 33.7 | 2 |
マグロの山かけ
おつまみの定番山かけも、日清かけて香る純正ごま油を仕上げにかければ、いつもと違った一品に超簡単に変身する上に、一層お酒が進みます。

マグロの山かけ(1人分) | ||
---|---|---|
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 塩分相当量(g) |
189 | 20.6 | 2.2 |
ヨーグルトのフルーツグラノーラ添え
日清アマニ油のクセがなくさっぱりした風味が、ヨーグルトのコクとマッチし、まろやかに。

ヨーグルトのフルーツグラノーラ添え(1人分) | ||
---|---|---|
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 塩分相当量(g) |
155 | 5.1 | 0.2 |
バランスのよい食事の習慣化にバランス日記をはじめませんか
特に食が細くなる高齢期においては、いろいろ食べて多様な栄養素を摂取することが低栄養や骨格筋量・体力の低下を防ぎ、健康寿命の延伸やフレイル予防につながるとされています。
バランス日記と一緒に、1日7食品群以上を目指してみましょう。
今すぐこちら☟の画像をタップして、無料ダウンロード!