栄養 vol.21

寒さに負けない体づくりのための食習慣

  • オイル
  • 栄養
  • 健康
  • 免疫力アップ
  • えごま油

冷えにくい体をつくる食材や栄養素

冷えにくい体をつくる食材や栄養素

 だんだんと寒さが身に染みる季節になりました。今から寒さに負けないように体を整えていくことで、冬本番を迎えても過ごしやすくなります。体づくりの基本は食事から。食材に含まれる栄養素やその効果を知り、寒さ対策につながる食事を心がけることをおすすめします。
たとえば、大根やれんこん、ごぼうなど冬に旬を迎える根菜類は、体を温める働きがあると言われています。鮭やぶりなどの旬の魚に含まれるDHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸は血行促進効果が期待でき、血の巡りをよくして体を冷えにくい状態にしてくれます。α-リノレン酸もオメガ3系脂肪酸のひとつで、えごま油やアマニ油に含まれています。これらの油は加熱には適さないので、料理の仕上げや食べる直前にサッとかけていただきましょう。

ビタミンカラーで寒さを吹き飛ばす根菜肉うどん

ビタミンカラーで寒さを吹き飛ばす 根菜肉うどん

 温かいうどんを食べれば体もポカポカ。しかも、根菜たっぷりの具だくさんうどんなら、寒さに強い体づくりにもぴったりです。
かぼちゃ、にんじんなどに含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚・粘膜の健康を正常に保つ働きがあるため、免疫力キープにつながります。このβ-カロテンは脂溶性で、油との相性がとてもいいため、最後にえごま油をかけて吸収率をUPしながら食べればさらに効果的。
スープには酒粕とみそを使っています。酒粕に含まれる「アデノシン」には血管拡張作用があり、血行改善により冷えにくくすることが期待されています。
こちらの一品で、4 食品群(肉類、緑黄色野菜、大豆製品、油脂類)を摂ることができます。

根菜肉うどん

【材料(1人分)】

  • 冷凍うどん・・・・・・・・1玉
  • 豚こま切れ肉・・・・・・・100g
  • にんじん・・・・・・・・・1cm(25g)
  • 大根・・・・・・・・・・・1cm(70g)
  • ごぼう・・・・・・・・・・1/4本(30g)
  • かぼちゃ・・・・・・・・・30g
  • 青ねぎ・・・・・・・・・・適量
  • サラダ油・・・・・・・・・適量
  • (A)
  • だしパック・・・・・・・・1袋
  • 水・・・・・・・・・・・・300cc
  • (B)
  • 酒粕・・・・・・・・・・・15g
  • みそ・・・・・・・・・・・大さじ1と1/2
  • えごま油・・・・・・・・・小さじ1

栄養価(1人分)

  • エネルギー :653kcal
  • たんぱく質 :30.4g
  • 脂質    :31.1g
  • 炭水化物  :68.0g
  • 食塩相当量 :3.7g

作り方

  • 1)鍋に(A)の水を入れて火にかけ、煮たったらだしパックを入れて火をとめ、だし汁をとっておく。
  • 2)にんじんと大根はいちょう切り、ごぼうは斜め薄切り、かぼちゃは食べやすい大きさに薄切りにする。青ねぎは細かく刻む。
  • 3)別の鍋にサラダ油を中火で熱し、豚肉を炒める。
  • 4)肉の色が変わったら、にんじん、大根、ごぼうを加えて炒め合わせる。
  • 5)野菜に火が通ったら、1のだし汁を注いで中火で煮る。
  • 6)アクが出てきたらとり除き、かぼちゃを加える。
  • 7)かぼちゃに火が通ったらいったん火を止め、(B)をとき入れる。
  • 8)うどんを入れて麺がほぐれるまで煮る。
  • 9)器に入れ、青ねぎを散らし、えごま油をかける。

食事から始める寒さ対策で冬に備えよう

この根菜肉うどんには、ほかの根菜類やきのこを加えてもうまみが増し、おいしく食べられます。また好みで七味唐辛子をかけてもいいですよ。
えごま油は熱に弱く酸化しやすい性質があるため、今回ご紹介したレシピのように非加熱での使用がおすすめです。
寒さに備えて今から体を温める食事を意識し、冬も元気に過ごしましょう!

尾澤真紀

尾澤真紀(管理栄養士/公認スポーツ栄養士/栄養教諭) 栄養サポート・講演活動をしながら、ジュニアからトップまでアスリートのコンディショニングや体作りに向けたレシピを展開。現在も専門学校で講師をしている。
Jリーグクラブで専属栄養士をしていた経験から、栄養と運動に関しての知識が豊富。