アスリートなら、誰もが気になる体脂肪。今、「体に脂肪がつきにくい」油である中鎖脂肪酸に注目が集まっています。中鎖脂肪酸はエネルギーになりやすい特徴があり、アスリートの栄養管理に役立てる研究も進んでいます。実験の結果、中鎖脂肪酸を含む油の摂取により、日常摂取しているサラダ油に比べ、エネルギー消費を高める作用が示されているんです。
アスリートにとっては、シーズンのオン・オフを問わず、毎日の食事が非常に重要。通常の食事に含まれる油を中鎖脂肪酸を含んだ油に替えて毎日摂取したところ、筋肉を太くし、体脂肪も減少する変化が認められました。つまり、毎日の食事に中鎖脂肪酸を加えることで、アスリートでも体に脂肪がつきにくく、さらに筋肉量の維持や増加が期待できると考えられます。また、中鎖脂肪酸の摂取は、体脂肪率が高めのアスリートでは筋肉などを減らさず、体脂肪を減少させるという研究結果もあります。
持久力向上や速やかな疲労回復は、アスリートの命題。最近の研究では、中鎖脂肪酸を毎日摂取することで、持久力を必要とする運動の能力が向上し、疲労が軽減することが認められました。さらに、運動後にスタミナ源といわれるグリコーゲン蓄積を早めて疲労回復を高めることへの効果も期待されています。これからは、中鎖脂肪酸はアスリートにとって欠かせない栄養成分となるかもしれません。
中鎖脂肪酸は食べたあと、エネルギーになりやすく、体に脂肪がつきにくい油の1種です。ココナッツやパームフルーツなどに含まれている成分で、母乳や牛乳などにも含まれている成分です。手術後の流動食や未熟児の栄養補給などに長年使用されています。