中学二年生の時にモーグルと出会い、高校に進学すると海外での試合も増えました。自分の食べるものを自分で考えなくてはならない環境で、最初の頃は適量や栄養バランスもよく分からなくて。疲れやすかったり、風邪をひいて満足な体調で戦えなくて悔しい思いもしました。母親が作ってくれていた料理って、とってもバランスがとれていて、それに支えられていたんだな、と身に染みました。
トリノオリンピックの前に、日清オイリオのスポーツ栄養士の先生と出会い、そこから二人三脚で自分のカラダと向き合いました。先生からのアドバイスは、初めて知ることがたくさんあって。食べるタイミングも競技のコンディションに大きく影響することや、それまで我慢して食べるのを諦めていた物も、むしろ強くなるためにはバランスよく食べる方が良いなど。どれも実践的で応用も効くアドバイスばかり。実際、行動に移してみたら、体調が整って選手としても伸びたんです。
例えば海外遠征が多い生活でも、オレンジジュースなら世界中どこでも手に入れやすい。「風邪をひきやすいなら、毎朝一杯飲むだけでも対策になるよ」と聞いて実践してみたら、そのシーズンは全く風邪をひかず全力で戦えました。栄養面はもちろん、朝からビタミン、糖分をチャージすることで、選手として「さあ行こう!」というココロの準備にもなりました。小さいことだけど、積重ねでこんなにもヒトのカラダって変わるんだな、って驚きとともに実感しました。
「朝食に油を使った料理を摂った方が良いよ」というアドバイスも効果的でした。大会当日は決まった時間に昼食が食べられるわけではないので、朝食はエネルギーに変わりやすいだけでなく、腹持ちの良さも必要で、その両面を叶えてくれるのが油だったんです。油が最後まで戦い抜くエナジーになると知ってからは、ハムやウィンナー、目玉焼き、オムレツなどを食べるようにしていました。
その時、数ある油の中から私が使ったのが、エネルギーに変わりやすい「中鎖脂肪酸」が入った健康オイル。アスリートにとって、油はエナジーなんだ、と私の認識を変えてくれました。
カラダ作りを意識した食事をしてから、ワールドカップ年間優勝もできましたし、残念ながらメダルには手が届きませんでしたが、五回出場したオリンピックでも女子日本代表選手として、万全の体調で挑めました。
引退した今は、現役の頃よりも食事を幅広く楽しんでいます。でも身についた食事・栄養に関する知識は自然と活用できていて、油を選んで使うという習慣もそのまま続けています。
これからは、私が現役時代に感じた、アスリートにとって食事がこんなに大切なんだということを後輩の選手達に伝えていきたいと思っています。大会や目標に合わせて、自分のコンディションを最高に持っていくために、練習はもちろん、食事も大切にして、自分のカラダとココロを整えて欲しい。「今、自分の食べているものが、一週間後の自分を作るんだよ」って教えてあげたいですね。