NISSHIN OilliO "植物のチカラ"

Human Rights 人権尊重の取り組み

1.当社グループにおける人権尊重の取り組みの考え方

日清オイリオグループは、サプライチェーンにおいて事業が直接的・間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿い、当社グループ全体での人権尊重の取り組みを推進しています。
当社グループは、「国際人権章典」や「OECD多国籍企業行動指針」、「労働における基本原則及び権利に関するILO宣言」に規定された人権を尊重します。
当社グループでは、人権尊重の取り組みとして、「人権方針によるコミットメント」、当社グループやサプライチェーンを対象とした「人権デュー・ディリジェンスの実施」、「苦情メカニズムの運用による救済措置」を主要な枠組みとし、取り組み内容を適宜ウェブサイト上で公開しています。
また、当社グループの経営層や従業員への教育を通じて人権尊重の重要性を浸透させていくこと、ステークホルダーとの対話を通じ、その考えや要望を把握し対応していくことも重要な取り組みと捉えています。

■人権尊重の取り組みの全体像

2.人権方針

当社グループは、2022年3月25日、「日清オイリオグループ人権方針」を定め、サプライチェーン全体での人権の尊重の取り組みを推進しています。

日清オイリオグループ人権方針

3.推進体制

人権関連の課題に関する基本方針、戦略、施策については、代表取締役社長が委員長を務め、主に取締役で構成される経営サステナビリティ委員会による審議を経て、取締役会が承認しています。

■推進体制図

  • 1.経営サステナビリティ委員会は、取締役7名、専務執行役員1名で構成、議長は代表取締役社長
  • 2.常勤監査役は、経営サステナビリティ委員会およびリスクマネジメント委員会、内部統制委員会、事業戦略会議にオブザーバーとして出席
  • 3.上記以外に、常勤監査役とコーポレートスタッフ部門との定期的な情報交換・情報共有か、監査の実効性確保に向けた会議体を設置

4.人権デュー・ディリジェンス

(1)取組方針

当社グループは、国連の「ビジネスと人権指導原則」、経済産業省の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などで提唱されるプロセスに則り、当社グループのサプライチェーン全体における人権リスクを特定・評価し、外部有識者の助言を得ながら、人権デュー・ディリジェンスに取り組みます。

(2)実施状況

2022年度は、外部有識者の見解を得たうえで、当社グループのサプライチェーンを農業分野、一般製造業分野、非製造業分野に分類し、国際的に求められる人権項目に関して、その「深刻度」と「発生可能性」の観点で評価し、人権リスクの分析を実施しました。
また、ILO宣言、国連グローバル・コンパクト基準、ETIベースコードなどを参照してSAQ(Self Assessment Questionnaire)を作成し、当社グループ企業を対象にSAQ調査を実施しました。この調査結果などに基づき、当社グループ企業において遵守すべき基準を示した「日清オイリオグループ人権ガイドライン」を制定しました。

2023年度は、当社グループにおける人権リスクをふまえ、「日清オイリオグループサプライヤーガイドライン」を制定し、その周知を図りました。そして、当社事業への影響、市場性や地域性、法規制の有無などの観点から、優先度の高い製造委託先約40社にSAQ調査を実施し、その全社から回答を得ました。また、そのうち2社へ訪問し「日清オイリオグループ人権方針」の説明や意見交換など対話を実施しました。
今回のSAQ調査や対話の結果からは、あらたに重大な人権リスクは検知されていませんが、引き続き調査や対話を継続し、サプライチェーン上の人権課題の特定、改善に努めてまいります。

また、マレーシアに所在する子会社であるIntercontinental Specialty Fats Sdn,Bhd.では、パーム農園や搾油工場とのエンゲージメントを通じて、人権尊重の取り組みを推進しています。NPOのEarthwormの支援のもとFerreroと協働し、主要調達農園のKULIMと農園労働者の労働環境や外国人労働者の採用についての実態調査を実施し、今後改善するべき課題を整理しました。また、直接的なサプライヤーである中小搾油工場を対象に勉強会を実施し、NDPEやMSPO改訂ポイントの理解を促すとともに認証の取得支援を行っています。

日清オイリオグループサプライヤーガイドライン

■サプライヤーとの対話風景

(3)今後の予定

2024年度は、人権リスクをふまえ、優先度の高い主要原材料である大豆、菜種、パーム油などの調達先と、当社グループの製品供給にとって重要である物流関連の取引先を対象に、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを更に進めてまいります。

5.人権に関する苦情処理窓口と救済措置

当社グループでは、パーム油調達方針に基づき、当社とIntercontinental Specialty Fats Sdn,Bhd.において、苦情処理窓口を設置・運用しており、受け付けた情報はウェブサイト上で公開しています。

日清オイリオグループ株式会社
Intercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.

また、当社グループは、公益通報など内部通報制度の窓口として「日清オイリオグループ企業倫理ホットライン」を設けており、人権に関する相談・通報も対象とし、運用しています。

6.教育

当社グループでは、研修、説明会などを通じて、経営層や従業員に対し、人権方針や人権尊重の取り組みの考え方を浸透させてまいります。
2022年度は、当社グループ企業の代表者や実務責任者・担当者向けに、当社グループの人権尊重の取り組みに関する説明会を開催しました。
2023年度は、当社従業員を対象に人権教育研修を開講し、303名が受講しています。
引き続き、人権尊重の取り組みを人材育成の基盤の1つに位置付け、従業員を対象に全社教育プログラムを推進してまいります。

7.ステークホルダーとの対話

すべてのステークホルダーから信頼される企業グループであり続けるため、ステークホルダーとの対話を進め、当社グループへのご提言を今後の人権尊重の取り組みにつなげてまいります。

ロードマップ