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  日清オイリオグループ株式会社
2002年


甲殻類(エビやカニ等)幼生期の餌となる微細藻類
珪藻(けいそう)「キートセラス」高密度・大量培養に成功
〜ヤマハ発動機株式会社との共同開発〜
 
 
2002/02/06

日清製油株式会社(社長:秋谷淨恵)では、かねてより水産種苗事業に取組み、微細藻類培養技術の研究開発を行い、海産クロレラ・淡水クロレラの効率的な培養技術を確立してきました。これらは、グループ会社の日清マリンテック株式会社(※1)において、水産種苗生産用の初期餌料(幼生期の餌)として販売しております。

当社は、新たな水産用微細藻類として、貝類・甲殻類の種苗生産で利用されている珪藻(けいそう)に着目し、1998年から3年に亘り、社団法人マリノフォーラム21(※2)からの委託研究テーマとして、研究開発を進めてきました。この研究を通し、二枚貝や甲殻類幼生の種苗生産で飼料として利用されている海産の微細藻類である珪藻(※3)の中でも、餌料価値が高く、培養が難しいとされていた「キートセラス・カルシトランス」(※4)の高密度基本培養技術の開発に成功しました。

委託研究終了後も、安定的な高密度・大量培養のためにヤマハ発動機株式会社と共同で開発を進めてきましたが、今回、ヤマハ発動機株式会社の開発した光合成装置「ヤマハ・バイオ・リアクタ(仮称)」と当社の基本培養技術を組み合わせる事で、これまでの約6倍(6000万細胞/ml)の高密度・大量培養に成功しました。これは、「キートセラス」の高密度培養条件にはpHと光の量が大きく影響しているため、pHの安定化を図ると同時に、効率的な光利用装置を利用することにより、これまで不安定とされてきた高密度・大量培養を達成したものです。
今後は日清マリンテック株式会社を通して利用機関にサンプル供給すると同時に、更なる効率化を追求し、実用化・事業化に向けて共同開発を進めていく予定です。

※1 日清マリンテック株式会社
日清マリンテック株式会社(神奈川県横浜市 代表:藤平幸男)は、水産用飼料の製造、魚介類および稚魚の養殖を目的に1990年に設立。高度不飽和脂肪酸EPAなど種々の栄養素を含むマリンクロレラをはじめとする水産飼料の開発、魚の種苗生産や養殖に取組む。水産養殖施設は愛知県渥美郡。

※2 社団法人マリノフォーラム21
農林水産省所管の社団法人。水産施設、機器およびシステム化など、ハード・ソフト両面 から水産業の発展のために新技術の研究開発を推進することを主な目的として設立された産・学・官の共同研究開発組織。

※3 微細藻類・初期餌料
微細藻類とは、海洋、湖沼、河川などの水中に生育する光合成植物を主体とする植物群であるが、必ずしも水中とは限らず、土壌表面や土壌中、動物の体表などに生活しているものも存在する。水中における微細藻類は光合成によりCO2から物質を生産する生産者として食物連鎖の重要な役割を担う。自然界では、これらの微細藻類を動物プランクトンが摂取し、それを卵から孵化した仔魚(しぎょ)が摂取することで食物連鎖が成立する。栽培漁業では、孵化直後の仔魚や稚魚、動物プランクトンの餌を初期餌料と呼ぶ。

※4 珪藻「キートセラス・カルシトランス(Chaetoceros calcitrans)」
珪藻とは、分類学的には「黄色植物門・珪藻網」に分類される単細胞の藻類。二枚貝(カキ、アコヤ貝、ハマグリ等)や棘皮動物(ナマコ、ウニ等)、甲殻類(クルマエビ、カニなど)の餌料として利用される。餌料価値は高いが、培養が不安定なために、実際の生産現場で使用されることが少なかった。


<参考>光条件、pHの条件を改善したことで、6000万細胞/mlを達成。


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